こんにちは。当ブログ管理人のおおいし(@yasu80808080)です.
この記事では竹内謙礼さん著『お客の心が読めるメガネ』から考える飲食店経営がテーマです。
この記事は、
・安売りして集客したけど2回目に繋がらない・・・
・もっとお客様の声に耳を傾けないといけない!
こんな疑問や考え方を持ってる人におすすめの記事です。
『お客の心が読めるメガネ』の著者竹内謙礼さんは実店舗コンサルやネットコンサルなど様々なビジネスのコンサルタントをしているようです。著書も多くあります。
竹内さんのブログ記事も面白くて勉強になるので読む価値ありです。
この本は尊敬する経営者の方からおすすめしていただいて読みましたが、お客様の要望に応えてなんぼの商売でこんな考え方があるのかと心を掴まれました。ストーリー仕立てで読みやすく商売をされている方にはおすすめの一冊です。
この記事ではこの本から学んだ個人的に大切だと思うことをまとめていきます。
☑ 本記事の内容
- あらすじ
- ポイント要約
- 店舗経営にどう活かすか
Contents
1.お客の心が読めるメガネ
マサトとオダギリ
鞄屋をオープンさせて一年、マサトは悩んでいた。勢いで起業したはいいものの売り上げが一向に伸びない。接客マナーや商品の陳列、マーケティングなど勉強はしているが成果はでない。
そんなとき、友人と飲んでいた居酒屋でマサトが起業するきっかけになった憧れの経営者オダギリと遭遇する。マサトはお酒の勢いも借りてオダギリにどうすれば売り上げが伸びるのか相談する。
オダギリは言う。「お客の声を聞いてるかい?表向きの声じゃなく心の中の声を」「お客が何を求めているのか、何を望んでいるのか汲み取る努力をしなきゃいけない」と。
相手の心の中が読めるメガネ
自分の経営者としての資質に自信が無くなったマサト。
しかしマサトの前に突然黒縁のメガネと魔女を名乗る女性が現れる。このメガネは相手の心が読めるメガネ。魔女はメガネを魔女の世界に持って帰るというがマサトはこのメガネを商売に活かすことを考える。
「客の声を聞くこととビジネスの成功は関係ない」と魔女は言うがマサトは魔女の忠告を無視し商売にメガネを使う。
メガネをかけたら・・・
メガネをかけてお客の心を読みその要望に答えることで順調に商品を売るマサト。しかしだんだんお客の心の声を拾っても商品が売れなくなっていった。「もっと安く」「もっと品揃えを良く」そんなお客の心の声に翻弄されるマサト。
一度は商売を諦めるところまで落ち込むが魔女の手助けの元、本気でお店を改革することを決意。メガネがなくても商売を立て直す方法を魔女に教わりながら少しずつお店を回復させていく。
そしてマサトのお店はどうやって繁盛していくのか、オダギリのお店の衝撃の真実とは、メガネは最後どうなるのか、物語はラストに向かって動き出す。
2.要約したポイント
この本の僕なりの結論としては”お客様の要望を全て拾っていても繁盛しません”ということです。もちろんお客様の要望にお応えして喜んでいただくことは商売ではとても大切なことです。
しかし全てのお客様を満足させることはできません。ここを間違えてしまうと商売はうまくいかなくなってしまいます。ここから本書で特に大切だと思う考え方を解説していきます。
①お客様の声をバランス良く受け取る
一つ目のポイントは”お客様の声をバランス良く受け取る”です。
本書でマサトは「もっと高級ブランドの品揃えがよかったら店は流行るのに」というお金持ち風の男性の心の声や「パンダの柄のバッグがあれば買うのに」という常連のお客様の心の声に反応して大量の在庫を抱える失敗をしてしまいました。
人は「絶対流行る」とか「絶対儲かる」のようなインパクトのある言葉に惹きつけられます。また常連様のような仲の良い間柄の人の意見を尊重して都合よく解釈してしまうことがあります。
どんなお客様のどんな意見であれ一つの意見でしかありません。発言相手との関係や発言内容のインパクトで誤った判断をしないように常にニュートラルな心でお客様の意見と向き合い取り入れる情報と行動を選択していくことが大切です。
②殿様商売でいい
二つ目のポイントは”殿様商売でいい”です。
お客様の声を聞いて価格を下げて品揃えをよくしてもお客様の要求は「もっと価格を下げろ、もっと品揃えをよくしろ」と永遠に続いていきます。なぜならほとんどのお客様はお店の利益のことなど考えていないからです。
大手であればある程度対応できるかもしれませんが小さな個人店にはとても対応できる話ではありません。
小さな個人店にはお客様の方から売ってくださいと言われるような商売をする必要があります。そのためには高くても価値のある商品やサービスを作ったり、あなたから買いたいと言われる人になれるよう自分を磨いたりしてお客様の声を聞かなくても自分の売りたいものを売るチカラを身につけることです。
そうすることで利益率が上がり、その利益を使ってサービス力や商品力を上げ、結果お客様満足度が上がりまた買いに来てくれるというサイクルが出来あがるのです。
③お客様の声を超える
三つ目のポイントは”お客様の声を超える”です。
お客様がお店のファンになる一番のポイントは「感動」です。商品を安くすること、品揃えを増やすこと、そういった行動の先に感動はありません。感動を生むにはお客様の声を超えなければならないのです。
体験したことのないサービスや想像もしないような付加価値がついた料理。感動を生むには並大抵の努力では足りません。他の誰もが真似できないようなことをとことん突き詰めてお客様を感動させる。その結果お客様はお店のファンになりあなたのファンになり、高いお金を払ってでも商品やサービスを欲しいと思ってもらえるようになるのです。
ポイント
- 偏った意見に左右されないように常にニュートラルに意見と向き合う
- お客様はお店の経営には無責任。売りたいものを売るチカラをつける
- サービスや付加価値を利用してお客様を感動させる
3.店舗経営に活かすアクションプラン
ここからは飲食店経営者としての目線から『お客の心が読めるメガネ』を読んで実行すべきアクションプランを提案していきます。もっとお客様の声に耳を傾けないと…と悩んでいる経営者さんはぜひ目を通してみてください。
①全てのお客様を満足させようとしない
1つ目は”全てのお客様を満足させようとしない”です。
商売をしていればクレームだったり「もう来ない」と思われることは怖いものです。しかし全てのお客様を満足させることなんてできません。むしろ小さなお店であれば10人中9人に嫌われても1人が大好きになってくれれば商売は成り立ちます。
10人中10人に嫌われないようなお店作りをすると10人中10人に嫌われないかわりに大好きにもなってもらえません。これは僕自身もお店を経営する中で身に染みて理解していることです。
もちろん目の前のお客様を幸せにするために全力を出すことはとても大事なことです。しかし人と人との間で合う合わないがあることと同じでお店とお客様の間にも合う合わないがあります。合わないお客様の意見を取り入れすぎて本来合うはずだったお客様が離れていってしまったら本末転倒です。
全てのお客様を満足させることはできないことを頭に入れて日々の行動を選んでいきましょう。
②メニューを増やすことと安売りはNG
2つ目は”メニューを増やすことと安売りはNG”です。
お客様の声で多いのが「品数が少ない」と「値段が高い」です。お客様の声を聞こうとするとまずこの壁にぶち当たります。ここで安易にメニューを増やすこと、安売りをすることはやめたほうがいいです。
それは資本力のある大手がとるべき戦略です。小さな個人店でそれをやってしまえば仮にお客様が増えても疲れるだけで利益は残らなくなってしまいます。
そもそも安売りというのは誰でもできる集客方法です。もっとお客様と真剣に向き合って自分の店のお客様が何を求めているのかとことん考えてみてください。個人店だからこそできることがあります。
思いつかなければ他のお店にいったり本を読んだりしてインプットの幅を広げてみるといいかもしれません。そうやって突き詰めて突き詰めて出来たサービスや商品にお客様は感動するのです。
③ファン客を育てる
3つ目は”ファン客を育てる”です。
本書の中でマサトは「会報誌」や「鞄作り教室」でお客様をファン化していきました。お店やあなたのファンになってくれたお客様はお店の強力な味方です。ファンになってくれたお客様は他のお客様を連れてきてくれたり、満席のとき狭い席に移動してくれたり、お店の良い評判を流してくれたり、SNSでシェアしてくれたりとお店のことを真剣に考えて行動してくれます。
そんなお客様に囲まれて経営ができたら最高ですよね。
お客様をファンにするのも簡単なことではありません。毎日SNSを投稿したり(ただ投稿するだけじゃだめですが)、お客様のスポーツチームの試合に差し入れ持って見学に行ったり、誕生日や記念日にメッセージカードを書いたり考えて考えて行動した先にファン化があります。
この本でも”並大抵の努力では実現できない”と書かれています。覚悟を持って取り組む姿勢がお客様の心を打つのではないでしょうか。
ポイント
- 全てのお客様に好きになってもらうことはできない。だから嫌われることを恐れずに
- 安売りは誰でもできる。真剣にお客様の心と向き合おう
- 並大抵ではない努力の先にファン化がある
4.まとめ
この記事では『お客の心が読めるメガネ』から学んだことを飲食店経営に活かすアクションプランとして提案しました。
僕も経営初期は全てのお客様を満足させることが大切だと信じて誰にも嫌われないかわりに誰もファンにならないような店つくりをしてしまい苦しい思いをしました。
現在経営に悩んでいる人やこれからお店を出す人には楽しく経営して欲しい、そのために少しでも参考になれば幸せです。
あなたの経営を応援しています!